先行きが不透明なマーケット環境下で、私たちがとるべき運用戦略とは?
今回は、資産運用において先般のコロナショックのようなショック時に耐えるための「ポートフォリオ」と「コアサテライト戦略」について解説します。
ポートフォリオとは?
金融・投資用語としてのポートフォリオとは、簡単にいうと「現金」「預金」「株式」「債券」「不動産」など、その人が保有している金融商品の組み合わせのことを言います。
資産をどの金融商品にどれくらい配分するかを決めることを「ポートフォリオを組む」と言います。
一口にポートフォリオといっても、その方向性や中身は千差万別です。
堅実なモデルや、積極的な投資スタイルのモデル、バランスに特化したモデルなど様々です。
資産運用をする上では、手元の資金をどの金融商品にどういった配分で投資していくか、つまり「自分に合ったポートフォリオとはどのようなものなのか」を考えることが大切です。
マーケットショックに耐えうるポートフォリオとは?
では先般のコロナショックなど、数年に一度起こるようなマーケットショック時に耐えるためには、どのようなポートフォリオを組めば良いのでしょうか?
一般的には「分散投資」モデルが、適切と考えられています。
分散投資はその名の通り、投資対象をいくつかに分散させる手法ですが、ここで最も強調したいことは「資産をひとつの商品にまとめて投資することと比較して、対象を分けて投資することでリスクを抑えられる」という点です。
一見当たり前のように思いますが、ご自身でそれぞれの商品の特性やリスクを理解した上で投資対象を選定し、配分を考えることは簡単ではないかもしれません。
例えば、自分に馴染みのある日本の企業のいくつかの株式を持っている場合、企業を「分散」しているかもしれませんが、株式資産に資産が集中することになります。
またそれ以外の資産が預金だけの場合、「日本国内」に資産が集中していることになります。
コアサテライト戦略とは?
では、分散投資はどのように実践すれば良いのでしょうか?
ここで今回ご紹介したい考え方がコアサテライト戦略です。
コアサテライト戦略とは、運用資産をコア(守りの資産)とサテライト(攻めの資産)に分け、リスクをヘッジしつつ運用効率を引き上げる投資戦略のことです。
今後の人生で必要となる資産はコアの資産として守りの運用をしつつ、サテライト資産で利益の積み増しを狙うイメージです。
具体的にはどのような商品があるのでしょうか?
コア資産(守りの資産)
コア資産は、中長期的に運用する「守りの資産」です。
コア資産を投入する対象として、以下のようなものがあります。
- 市場と連動するインデックスファンド
S&P500や日経平均株価など、市場の指数を連想する投資信託は、国内外の株式に広範に分散して資産運用することができます。また低コストな商品も多いため長期保有に適しています。 - 格付けの高い先進国債券
債券とは、国や企業が投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券のことです。
購入時に償還日や利率が決まっている債券は、株式に比べて比較的リスクが低く、運用計画を立てやすいのが特徴です。
これらはあくまで一例ですが、コア資産はポートフォリオの軸となるためお金を増やすよりも守ることができるかが商品の選定基準となります。
サテライト資産(攻めの資産)
サテライト資産は、より高いリターンを目指し、積極的に運用する「攻めの資産」です。
国内外の個別株式、新興国債券などのハイリスクハイリターンのものを指す場合が多いです。
最もよくあるのは、一般的にコア資産とサテライト資産で分けるなどの戦略を持たず、盲目的にコア資産のすべてを個別株式などのリスクが高い商品へ投入してしまうケースです。 このような場合、マーケットが大きく下落する局面では、市場の下げと同じだけ、もしくはそれ以上に損失を抱えてしまいます。ですが、コアサテライト戦略に則った分散投資をすることにより資産全体の損失を和らげることができます。
資産を安定的なコア部分と機動的なサテライト部分に分けるコアサテライト戦略が、リスクマネジメントの観点からみても有効ということがお分かりいただけるかと思います。
コアサテライト戦略をどう実践していくか
コアサテライト戦略に基づいてポートフォリオを組むにあたり、最も大切なことは、ご自身にとって最適なポートフォリオを作成することです。
なぜなら、人それぞれ運用の目的やゴール、資産状況やリスク許容度が異なるからです。
ご自身で考えることが難しい方は、専門知識を持ったアドバイザーと一緒に、これらの状況を整理して運用戦略を立てることもおすすめです。
例えばShinesでご相談いただいた際には、まずはじめにお客様のご資産状況に加え、以下の確認を行います。
- 運用の目的やゴール
- 今後想定されるライフイベント
- リスク許容度(資産運用においてどれだけリスクを取れるか)
- 目標リターン
これらは全て、最適な投資戦略を練る上で大切です。
現状と運用のゴールを適切に設定することによって、最適な金融商品の選択やポートフォリオの作成ができます。
また、実際にポートフォリオを組んで投資を始めた後も、ライフプランや投資に関するご意向に変化がないか等、定期的に確認し続けることが大切です。 そして、もし投資の目的やライフプランに変更があれば、それに沿ってポートフォリオの見直しを行いましょう。
ご自身の状況によって「数年はコア部分を重視したい」「サテライト部分の厚みを増やしたい」など、その時々に応じた資産配分の適切なバランスを考えることも資産形成をするうえで大切なポイントです。
最後に
今回はショック時に耐えるための、ポートフォリオとコアサテライト戦略について解説しました。
ご紹介した内容はIFAや金融機関にご相談される場合はもちろん、ご自身で戦略を立てる際も非常に大切なことになります。
先にも述べたように、Shinesではライフプランニングの観点から資産運用のポートフォリオや投資戦略についてご相談いただくことも可能です。
ご興味のある方はぜひご相談ください!